キャリアコンサルタントに関わる3種類の国家資格

「キャリアコンサルタントの資格とは?」「キャリアコンサルティングが、どのように活かせるの?」「資格をとるには、どうしたら良いのだろう?」。キャリア支援に関する資格を知りたいあなたに向けて、「キャリアコンサルタント」と「キャリアコンサルティング技能士」を紹介します。

テンキーの「2」のキーの上に立つコンサルタント風のビジネスマン
uopictureさんによる写真ACからの写真 
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「キャリアコンサルタント」と「キャリアコンサルティング技能士」の違い

キャリア支援に関わる資格は、国家資格だけで3種類もあります。どのように違うのか説明します。

名称独占の国家資格キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントは、2016年に施行された職業能力開発促進法で定められた国家資格です。資格試験に受かって登録をした人だけが「キャリアコンサルタント」を名乗って活動できます。いわゆる名称独占資格です。

後述の技能検定や民間資格と区別するため「国家資格キャリアコンサルタント」と呼ばれることもあります。

熟練者以上がなれる1級・2級キャリアコンサルティング技能士

キャリアコンサルティング技能士は正確に表現すると、国家資格ではなく「国家検定」です。「キャリアコンサルティング技能検定」に合格するとなることができます。キャリアコンサルタントとして活動するためには5年ごとに資格を更新する必要がありますが、キャリアコンサルティング技能士は生涯有効です。

技能士資格を取得することの主な目的は、一定のスキルを持っていることの証明です。キャリアコンサルティング技能検定は、キャリアコンサルタント試験よりもさらに上の能力が求められます。キャリアコンサルタントの試験や更新講習を行う特定非営利活動法人日本キャリア開発協会(JDCA)によると次の通りです。

具体的には、キャリアコンサルティング技能士1級は指導レベル、2級は熟練レベルとして位置づけられています。

特定非営利活動法人日本キャリア開発協会 ホームページより

資格を社会で活かす場所

ハローワークに出す労働保険関係の書類とコンサルタント風のビジネスマン
uopictureさんによる写真ACからの写真 

キャリアコンサルタントは、一般企業や職業紹介所(ハローワークや転職エージェントなど)、教育機関などでさまざまな場所で活躍しています。

キャリアコンサルタントの仕事内容に関する当サイト内の記事はこちら

これらの国家資格・検定を取得しなくても、キャリア支援の仕事に就くことは可能です。ただし資格を持っていることで就職に有利になったり、顧客に安心感を与えられたりすることがあるでしょう。職場によっては資格手当をもらえるかもしれません。

資格の取り方

資格の取り方にもそれぞれ違いがあります。最も易しいキャリアコンサルタントでさえも受験のハードルは低くありません。

キャリアコンサルタントの受験資格

受験には3年以上の実務経験が必要です。前述の「資格を社会で活かす場所」のようなところで職業選択やキャリア開発などの経験を持っていなければなりません。

実務経験がなくても、厚生労働省の指定する養成講座を受けることで受験資格を得られます。養成講座を受けることで、キャリアカウンセラーなどの民間資格を得られることもあり、一挙両得です。

キャリアコンサルタントとキャリアカウンセラー(民間資格)の違いについての当サイト内の記事はこちら

キャリアコンサルタントの試験

JDCAと特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会において、試験が実施されています。試験は、学科試験と実技試験があります。学科試験または実技試験でどちらか合格したことがある場合は、合格している試験の免除を受けることができます。

キャリアコンサルティング技能士の受験資格

キャリアコンサルティング技能検定を受験するためには実務経験が必要です。

2級は5年以上の実務経験が必要ですが、キャリアコンサルタント試験合格者であれば3年に短縮できます。他にも大学で心理学や社会学などの一定科目を履歴しているといった条件も考慮されますが、3年未満に縮まることはありません。

2級に合格してから3年以上実務を経験すれば、1級を受けられます。10年以上の経験があれば、いきなり1級から受験することも可能です。

キャリアコンサルティング技能士受験資格の一覧
キャリアコンサルティング技能士受験資格の一覧 出典:特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会 国家検定キャリアコンサルティング技能検定 受験概要

キャリアコンサルティング技能士の試験

技能検定にも学科試験と実技試験があります。試験免除制度があり、学科試験または実技試験に合格すると、合格した試験が免除されます。ただし、試験免除制度には期限があり、合格した試験実施日の翌々年度末までとなっています。

試験の内容

いずれの実技試験も相談の場面を想定したロールプレイが行われます。加えてキャリアコンサルタントと異なり、技能検定は筆記による論述試験があります。学科試験はどの試験もマークシート方式です。

試験内容はキャリアコンサルタントとほとんど同じですが、問われる設問のレベルが異なります。カウンセリング理論やメンタルヘルスなどの心理学的な知識の他、労働法制や学校教育制度など、キャリアに関する幅広い問題が出題されます。

試験の合格率

合格率はキャリアコンサルタントが学科・実技とも70%前後です。2級技能士は学科試験が70%前後、実技試験が10%台と、実技に重点が置かれています。1級技能士は学科50%前後、実技5%程度と、非常に難易度が高い試験です。

受験料

検定料は3種類とも同じで学科が8,900円、実技が29,900円です。

資格と検定の違い

キャリアコンサルタント関連資格が3種類あるのは、「国家資格」と「国家検定」の違いがあり、検定のレベルが2段階に分かれているからです。「キャリアコンサルタント」として仕事をするためには国家資格の合格と登録が必要です。さらに熟練したスキルを証明するために、実務経験を経て国家検定であるキャリアコンサルティング技能士の2級、1級とステップアップしていくことができます。

※2020年11月27日追記

当記事を「気になる資格がみつかるサイト・資格Hacks」にて参考記事としてご紹介いただきました。
キャリアコンサルタント資格の仕事・養成講座を解説!

この記事を書いた人
しんきゃり編集部

心理学やカウンセリングに関する仕事の実態と魅力を伝えることをモットーに、情報発信していきます。心理学科卒のライター、書籍編集者、産業カウンセラーなどが在籍。

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