学校心理士はカウンセラーのキャリアにどう役立つ?資格取得の方法やメリットも紹介

「悩む子どもを支える仕事がしたい!」学生時代につらい思いをしたり、カウンセラーに助けられたりした経験のある人は、そう思うかもしれません。その道を目指しているならば「学校心理士」という言葉に興味を引かれ、どのようなものか疑問に思うでしょう。そこで本記事では、学校心理士とはどういうものなのか、スクールカウンセラーとの違いやメリット、資格取得のための道筋をお伝えします。

歩く学生たちの後ろ姿
画像出典:写真AC
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学校心理士とは

学校心理士は一般社団法人学校心理士認定運営機構が認定する資格です。学校におけるカウンセリングなどの技能を証明するものですが、持っていなければカウンセラーになれないというわけではありません。

スクールカウンセラーとの違い

学校心理士は資格ですが、スクールカウンセラーは職業を表します。仕事内容は、学校内の心理に関する課題解決です。

学校心理士を持っていることで、スクールカウンセラーとして採用されることがあります。スクールカウンセラーの採用条件は臨床心理士や公認心理師であることが一般的ですが、「スクールカウンセラーに準ずる者」も認められています。この「準ずる者」の条件が学校心理士の資格取得で求められるレベルと近いため、自治体や学校によっては学校心理士のみ保有している人も採用の対象になり得るのです。

例えば「スクールカウンセラーに準ずる者」の「児童生徒を対象とした相談業務について、5年以上の経験を有する者」という条件は、学校心理士の申請条件である「学校心理学に関する専門的実務経験を5年以上有する方」に近いものがあります。

スクールカウンセラーの役割に関する記事はこちら

学校心理士の役割

教育委員会の看板
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学校心理士はスクールカウンセラーや養護教諭として幼稚園~高校で働く他、教育委員会や教育相談所における相談業務などでも活躍しています。

学校心理士のスキルはカウンセリングやコンサルテーション(教員や保護者などへの心理的観点でのアドバイスなど)などの心理的援助です。不登校や問題行動を起こす子、人には言えない悩みを抱える子の話を聞き、不安や恐怖を和らげます。まれではありますが、教員や保護者のカウンセリングを行うこともあります。

学校心理士の資格を取得するメリット

学校心理士は学校でカウンセラーや相談員として働くのに必須ではありません。では、資格を持つことでどのようなメリットがあるのでしょうか?

メリット

  • 採用されやすくなる
  • 信頼されて仕事をやりやすくなる
  • 学校心理士しか出席できない研修会を受けることができる

専門的な資格を持つことで、採用担当者からの信頼感が生まれます。採用された後も同僚や保護者からの信頼を得られやすく、コンサルテーションを行いやすいはずです。

学校心理士の信頼感は次の特徴から生まれます。

  • 「学校」に特化した高い専門性を持っている
  • 後述の通り、取得のハードルが高い
  • 認定運営機構が日本学校心理学会や日本教育心理学会、日本学校カウンセリング学会など複数の権威ある学会からなる

また、学校心理士しか受けることのできない研修会に参加することができます。もし、心理の専門家としてキャリアアップすることを考えているのなら、とても有意義な時間になるでしょう。

学校心理士の資格を取得するには

学校心理士の資格を取得するには、試験に合格する必要があります。決して簡単な道のりではありません。

資格申請の条件

受験の申し込みをすることを「資格申請」といい、厳しい条件があります。

・大学院で学校心理学関係の科目の単位を修得し、修士課程・専門職学位課程を修了し、学校心理学に関する専門的実務経験を1年以上有する方
・4年制大学卒業で学校心理学に関する専門的実務経験を5年以上有する方
・大学または大学院で授業を2年以上担当し、学校心理学の8領域に関する研究業績を5編以上有する方
・公認心理師資格を有する方
・学校の管理職または教育行政職として、心理教育的援助サービスに関する指導的な役割を3年以上有する方

一般社団法人学校心理士運営機構・日本学校心理士会 ホームページ「申請条件・申請類型」 より ※引用にあたって括弧書き内は省略しました。

実務経験とは学校生活におけるカウンセリングやコンサルテーション、心理検査や心理教育(相談者に対するアドバイス)などです。原則として週3日以上の勤務があった時期を経験年数として数えます。

学校心理士は実務経験や研究業績がないと受験すらできない資格なのです。もしまだ学生であれば学校心理士の資格を取得するかどうか深刻に悩まず、1つの選択肢として頭に入れて置きましょう。

資格取得までの流れ

学校心理士の資格取得は、申請書類の作成から労力を使います。その流れは以下の通りです。

複数の書類を見つめる女性
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①申請書の取得

最初に「手引き及び申請書」を購入します。

②申請書類の作成・送付

申請のために提出する書類が多く、作成にはかなり手間がかかります。「資格申請の条件」のどれに当てはまるかによって提出書類は変わりますが、推薦書が必要な場合もあるため早めに取りかかる必要があります。

③試験

いよいよ本番です。試験の内容は以下のように分かれます。

  • 試験Ⅰ(論述式)
  • 試験Ⅱ(多枝選択式)
  • 試験Ⅲ(面接)

ただし、受験者の立場によって受験科目が変わります。公式の過去問やガイドブックも発売されているため入手して対策を行うことができます。

④審査

書類や面接、筆記試験、過去の研究などをもとに合否が決まります。

資格取得の費用

学校心理士資格試験の審査料は3万3,000円です。申請に必要な手引書とガイドブック・問題集のセットは6,000円で売っています。登録時には登録料2万円と会費3万円(5年分)の合計5万円を納めなければなりません。1年間あたりの会費は6,000円と、標準的といえるでしょう。審査から登録までに9万円近くの支払いが必要なことは、大きな負担に感じるかもしれません。

学校心理士を取得するかどうかはキャリアの中で考えよう

学生は進路について思い悩みやすい時期ですが、学校心理士の資格取得について深刻に考える必要はありません。というのも、学校心理士の試験は心理の専門家としてのキャリアがなければ受けられないからです。心理カウンセラーとしての道を歩みたいのならば、今の自分にできることを探しましょう。キャリアアップしていく中で学校心理士の資格取得を視野に入れてもいいかもしれません。

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この記事を書いた人
関目グミ

「学ぶこと」が大好きなフリーライター。「悩みを抱えている子どもを支えたい」との思いから心理学を勉強し、公立中学校の教師として勤めた過去を持つ。大学では哲学を専攻し、卒業論文で学部内最優秀賞を受賞した。

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