心理職の就職活動【公認心理師・臨床心理士お仕事エッセイ~cocomomo~(4)】

リクルートスーツの女性

新卒の就職活動というと、一般的には、最終学年の前の年から、エントリーシートを作ったり、OB訪問をしたり、説明会やインターンに参加したり…といったことが思い浮かびますが、心理職の場合はすこし様子が違います。というのも、公務員や一部の会社をのぞいて、毎年春に雇用期間の定めのない新卒者を定期的に募集することは、ほとんどないからです。公認心理師という国家資格が誕生して以降、心理職の就職事情にも変化が起こりつつあるようですが、今回は、臨床心理士指定大学院の修士課程を修了した前後の就職活動について、私が見聞きしたことをお伝えしたいと思います。

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大学院在学中の活動

同期生の進路は、博士課程への進学やあえて留年を選択した人のほか、公務員試験を受けて公立の施設に勤務が決まった人、教育相談所(年次更新)に採用された人、実習先でアルバイトをすることにした人、外部講師の紹介で病院に正規雇用された人など、様々でした。公務員志望者は、そのための勉強が必要ですから、早くに準備を始めているようでした。

しかし、自分も含めそれ以外の人は、修士論文の作成や実習などで忙しく、あまり就職を意識して過ごすことはなかったように思います。先生方も、実習や事例検討会などでは熱心に相談に応じてくれましたが、その後現場に出ることに関してはほとんど案内がありませんでした。学部のように大学が面倒をみてくれることを期待せず、情報収集は自ら積極的に行うことを念頭におく方が良いと思います。

求人の見つけ方

まずは医療か、福祉か、教育か、産業かなど、自分が働きたい領域について考えておく必要があります。とはいえ、関心の対象は変わるものですし、どこかで働きながら考えるのもありでしょう。特に新卒直後では、非常勤職をしながら安定して働ける場所をさがしている人も多いようです。

公立学校のスクールカウンセラーは、前年の秋頃から次年度の候補者の募集を開始します。首都圏住まいであれば複数の自治体に応募できると思いますので、まめにホームページをチェックしておきましょう。

教育相談所や大学の学生相談室も、年に何度か募集をしています。週3~4日勤務の場合が多いので、他の非常勤職とかけもちがしやすいです。医療や産業領域は、心理職に特化した求人サイトをみておきましょう。ちなみに私は、先輩の紹介で医療機関に非常勤職を得たのち、そこを介して縁があり、現在の職場で正規職員として採用されました。医療機関を志望しているのであれば、先輩や教授の紹介なども良い情報源になりますので、人脈は大切です。

採用面接で聞かれること

新卒や経験の少ない人を積極的に採用しているところもありますが、やはり現場では即戦力が求められるのでしょう、キャリアやそれまでの勤務経験を重視されます。講師など教員の求人への応募では、当然ながら論文等の研究実績が必要になります。また、臨床心理士と公認心理師、両資格の取得を応募条件とする募集もよく見かけます。

面接では、趣味だとか信条よりも、「こういう場合あなたならどうするか」といった、「具体的な事例に対してどう行動するか、どう考えるか」という質問をされることが多いです。すでにその領域で仕事をしている人たちから現場の話を聞いたり、本を読んで豊富な事例にふれておくと、あわてずに答えられるでしょう。興味のある学会や研修にも積極的に参加するなどして、経験豊かな先輩方がどう活躍しているか学んでおくことも大切だと思います。

どの職種をめざすにあたっても大事なこと

心理職は常勤の募集が少ないこと、対象とする分野で事情がかなり異なることなどから、就職活動の方法は人それぞれかもしれません。それでも、常に情報収集のアンテナを張っておくことと、自己研鑽につとめ、いざというときに難しいケースの質問にも答えられるような度胸をつけておくことは、いずれの心理職種をめざすことになっても、大事なことだと思われます。

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この記事を書いた人
cocomomo

臨床心理士、公認心理師。上場企業の人事部、児童相談所、私設相談室カウンセラーを経て、現在は主にクリニックにて心理検査やカウンセリングを担当。恋愛に関することから親子関係まで、日々さまざまな悩みに寄り添う。

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