臨床心理士試験の思い出【公認心理師・臨床心理士お仕事エッセイ~cocomomo~(11)】

昨今、感染症の拡大で入学試験や資格試験もなにかとそのときの社会状況にふりまわされていますが、いつの時代でも「試験」とは正直しんどいものです。今回は、臨床心理士の資格試験を受けたときの感想をお伝えしたいと思います(※なお、実施方法などは受験当時のものなので現在は変わっていることもあるかもしれません)。

筆記試験
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会場が見つからない!

一次の筆記試験会場は、東京ビッグサイトです。催事で何度か訪れていたことがあったので、とくに下見もせずにいました。90分前には到着するように早朝に出かけて余裕のつもりでした…が、駅を出た後どうも感覚がつかめず。実は以前は車だったので、様子が違ったんですね。そうはいっても天下のビッグサイトですから、わからないわけはないとどんどん歩いて行ったところ、「ない、ない」。焦りました。朝早いのと住宅街とはわけが違うのでとにかく人もおらず。

ようやくビジネスマン風の男性に出会ったので道を尋ねたところ、はるか後方に鎮座しているのがビッグサイトだと判明。駅でしっかり確認しておけば方向を把握できていたのに。なんとか会場に着いたときには、集合時間の30分前を切っていました。ああ、早く出ておいて良かった。

筆記試験で火事場の馬鹿力を発揮

心理職は女性の割合が非常に多いです。必然的に受験生も女性が多いので、当日はトイレが大盛況なのですが、試験開始の30分前に着席していなければならないので時間にゆとりをもってすませておかねばなりません。

つまり試験時間よりもかなり長いこと着席しなければならないのですが、会場に到着するまではからずも運動するはめになりのどがかわいて飲水してしまったためか、私は2回トイレに立ちました。

その際、試験監督立ち合いのもと机のわきに置いたカバンからハンカチを取り出すのですが、それが毎回男性だったので正直「ちょっとな…」と思いました。当日の監督者はほとんどが男性のように見えました。よりによって心理職の試験なんだから、このあたりから気を遣ってもらいたいなと思ったものです。

それから、この筆記試験、とにかく分量が多いので時間との戦いです。同級生には「2回もトイレ行って合格できたなんてすごい」と言われました。トイレに行く前にここまでやってしまおう!という、火事場の馬鹿力(?)が発揮されていたように思います。

面接でちょっとやらかす

二次の面接試験会場は東京国際フォーラムです。こちらも催事で訪れていたことがあり、今度こそ何事もなく到着できましたが、面接室のドアを開けたとたんにやらかしたことがありました。

面接官からたずねられる前に、自ら率先して(!)あいさつと自分の名前を告げてしまったのです。人事面接や役員秘書の仕事をしていたことがあったためか、ドアを開けると同時に名乗り、要件を伝えることが身に着いていたのが仇になったようでした。

やんわりと指摘されましたが、内心「落ち着きのない人物だと思われてしまったのではないか」と、穏やかではありませんでした。しかし、その後はなんとか平常心を保ち、面接で聞かれたことをしっかりと、そして堂々と伝えることができました。これも今思えば、社会人経験があったので場慣れしていたことが幸いしたように感じます。

合格後の感想

臨床心理士試験に合格して思ったのは、「バンザイ」ではなく「ああもう二度と受けなくていいんだ」でした。とくに筆記試験は着座時間が長くて腰が痛くなったり、トイレの心配もありストレス満載で、若い人ならいざ知らず自分にはもうムリだと思ったからです。もっとも、それらのプレッシャーを含めてなにかを試されているともいえるのかもしれませんが。

この記事を書いた人
cocomomo

臨床心理士、公認心理師。上場企業の人事部、児童相談所、私設相談室カウンセラーを経て、現在は主にクリニックにて心理検査やカウンセリングを担当。恋愛に関することから親子関係まで、日々さまざまな悩みに寄り添う。

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