公認心理師の受験資格はややこしい?3つのパターンに分けて考えよう

公認心理師は「心理のプロ」であることを証明できる最もわかりやすい資格です。それだけに取得のハードルは決して低くありません。一定の学歴か実務経験がなければ受験すらできないのです。受験資格は少し複雑で、8パターンもあります。本記事ではシンプルに2種類に分け、それに一部の人が当てはまる「Gルート」を加えた3タイプを紹介します。

3つの学校
ちぬるさんによる写真ACからの写真
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経過措置の存在が話をややこしくする

公認心理師法にはA~Gの8ルートもの受験資格が定められています。しかし多くの人に当てはまる可能性があるのはABの2ルートしかありません。これに経過措置などの特殊なケースが加えられるため、複雑で多種多様に見えるのでしょう。

受験資格を得るためには基本的に一定の学歴が必要です。経過措置とは、公認心理師法ができた2017年9月15日以前に入学した人向けに用意されたルートといえます。これから大学で勉強しようという人には当てはまりません。

経過措置に当てはまる人、例えば2017年までに大学や大学院を卒業した人は、指定された科目を修了していたかどうか確認する必要があります。

基本は大学+大学院で6年間心理学を学ぶ

最も基本的なAルートは、大学と大学院に通算6年間通い、指定されたカリキュラムを学ぶことで受験資格を得られます。対応しているかどうか(卒業することによって受験資格を得られるかどうか)は大学によって違うので、ホームページや問い合わせなどで確認したほうがよいでしょう。

公認心理師として心理職を目指す人は、四年制大学で心理学を学び、さらに大学院の修士課程に進む。これが基本的なパターンになります。

一般財団法人日本心理研修センター「公認心理師試験について」より

学歴を実務経験で補うパターンもある

ただし学歴の一部は実務経験によって代えることができます。四年制大学で心理学を学んだのち、指定された施設に2年間以上心理職として勤めるBルートです。

この施設は研修プログラムが整っていることが公的に認定された機関であり、その数は多くありません。2020年10月10日現在、少年鑑別所と家庭裁判所の他、7の医療機関などが認められています。

心理系の大学を卒業し、いわゆる法務技官や家庭裁判所調査官(補)として2年以上働いた人には公認心理師への道が開けるわけです。それ以外にBルートで受験資格を得ようとするのは非常に狭き門といえます。

また、A・Bルートと同様の力量があると認められた場合に受験資格を得られるCルートもあります。例えば海外の大学院で博士号と心理士のライセンスを取得した場合が挙げられますが、数少ないケースといえるでしょう。

A・Bいずれのルートでも、四年制大学で心理学を学ぶ必要があります。

家庭裁判所調査官の仕事内容などを解説した記事はこちら

開業カウンセラーにもチャンスが?Gルートとは

勉強する看護師
こうまるさんによる写真ACからの写真

DルートとEルートはAルートに、FルートはBルートに、それぞれ対応した経過措置です。残るGルートには対応関係がありません。つまり経過措置独自のルートです。

Gルートには学歴要件がありません。実務経験が5年以上あることを証明でき、専用の講習会を受ければ受験資格を得られるというものです。証明するのは勤め先の責任者ですが、開業カウンセラーでも確定申告書などを証拠として申請できますす。誰でも承認されるとは限りません。試験を受ける期限は2022年9月14日までなので、公認心理師法が成立した2017年9月15日までに実務を始めている必要があります。

多くの臨床心理士がDルート(大学院修了者に関する経過措置)で公認心理師を取得している他、看護師や精神保健福祉士、産業カウンセラーなどがGルートで挑戦するケースもあります。あるいは、その他の開業カウンセラーにとっても心理専門職としての資格を取得する残り少ないチャンスかもしれません。

大卒+院or大卒+実務or期間限定の実務のみ

公認心理士の受験資格を得るためにはまず四年制大学で心理学を学びます。その後、大学院でさらに研究するか、実務経験を得なければなりません。ただし2017年9月15日までにすでに実務経験を積み始めている人は、審査と講習を経て試験に臨めることもあります。

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この記事を書いた人
しんきゃり編集部

心理学やカウンセリングに関する仕事の実態と魅力を伝えることをモットーに、情報発信していきます。心理学科卒のライター、書籍編集者、産業カウンセラーなどが在籍。

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