仕事に役立つ心理学テクニック!交渉事から日常のやりとりまで

面接、プレゼン、営業、交渉……仕事をしていると、自分を売り込む場面がたくさんあります。相手に自分の希望を受け入れてもらえると達成感があり、うれしいものです。しかし、「どうすれば相手が自分の願いを聞いてくれるのだろう」と悩む人もいるのではないでしょうか?そんなときに役立つのが心理学です。本記事では、仕事で役立つ心理学テクニックをご紹介します。

握手するビジネスマン
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認知的不協和【相手の興味を引く】

1つ目の仕事に役立つ心理学テクニックは、認知的不協和です。認知的不協和はアメリカの心理学者であるフェスティンガーによって提唱されました。

認知的不協和とは?

認知的不協和とは、考えと行動や状況が一致していないときの不快感のことです。認知的不協和が起こったとき、人は行動や状況を変えるよりも考えを変えたほうが簡単に不快感を解消できます。そのため、矛盾した状況や行動を正当化するために無意識に考えを変えてしまうのです。

例えば、理想の高校生活を思い描いて受験勉強を必死に頑張ったとします。しかし、いざ高校に入学してみると理想とかけ離れたつまらない生活が待っていました。そんなとき、人は自分の状況を正当化するために、「設備がいい」「校風がいい」「偏差値が高い」などよいところを見つけ、「この高校は自分にぴったりな高校だ」と思い、自分の状況を正当化しようとします。

このように、人は自分の考えと状況や行動が一致しないとき、考えを変えてつじつまを合わせようとするのです。状況や行動を変えるよりも考えを変えるほうが簡単だから、このようなことが起こります。

この性質はたくさんの広告や本のタイトルに応用されています。たとえば、以下の通りです。

  • 「勉強をやめたら、英語を話せるようになった」
  • 「家にピアノがなくても、ピアノを弾けるようになった」
  • 「お腹いっぱい食べたら、10kg痩せた」

上のような文言を目にすると「矛盾している」と思うでしょう。その矛盾を解決したいと思うため、話の内容が気になってしまうのです。

仕事で役立つ認知的不協和

認知的不協和を相手に感じさせることで、自分の話に興味を持ってくれやすくなります。例えば、以下のような場面です。

  • プレゼンの冒頭
  • 交渉で提案する内容
  • 資料の見出し

話の導入や目立つところにあえて違和感を覚えるような文言を入れることで、「なんで?」と相手が身を乗り出してくれるわけです。このように、認知的不協和は仕事のさまざまな場面で応用できます。ただし、うそや誇大は信用を失うため、使い方には気をつけましょう。

参考文献

認知的不協和の理論―社会心理学序説 レオン・フェスティンガー (著), 末永 俊郎 (翻訳) 誠信書房 1965年9月

フィーリング・グッド効果【食事で同意を得られやすくなる】

2つ目の仕事で役立つ心理学テクニックは、フィーリング・グッド実験で示された効果です。この実験は心理学者アーヴィング・ジャニスが行いました。

フィーリング・グッド効果とは

ジャニスは「がん治療」や「月への旅行」などについての説得的な文章を読んだ実験参加者の意見の変化を観測しました。実験参加者は事前に以下のグループに分けられています。

A お菓子を食べながら文章を読む
B 何も食べないで文章を読む
C 悪臭が立ち込める不快な環境下で文章を読む

結果は、お菓子を提供されたAグループが最も文章の説得を受け入れやすかったのです。不快な環境に身を置かれたCグループの意見の変化は、何も食べないBグループと同程度でした。

このように、人は食事をすると気分が緩みやすく、相手の意見を受け入れる傾向にあるのです。

参考文献

人を動かす心理テクニック 樺旦純 PHP研究所 2013年11月

説得と影響―交渉のための社会心理学 博文 ブレーン出版 2002年5月

仕事で役立つフィーリング・グッド効果

仕事でフィーリング・グッド効果を役立てるにはどうしたらよいのでしょうか。以下のことが考えられます。

  • 上司や取引先との食事会に積極的に参加する
  • 食事会の際に自分の希望を伝える

近年は、職場での飲み会や食事会が敬遠されることが多くなってきましたが、どうしても上司や取引先に受け入れて欲しい願いがある場合は食事会を利用するのも一つの手かもしれません。

返報性の法則【仲間を増やす】

贈り物
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3つ目の仕事に役立つ心理学テクニックは、返報性の法則です。返報性の法則は心理学者であるデニス・リーガンによって提唱されました。

返報性の法則とは

返報性の法則とは、他者に何かしてもらったときに「お返しをしなければならない」と思う心理のことです。この法則は日常生活でもよく見かけます。

たとえば、同僚や友人にお土産をもらった場合は「自分もお土産を返さなきゃ」と思い、思わずお土産を返します。また、スーパーで試食をしたら、「試食をさせてもらったから買わないと」と思って購入してしまうものです。

このようにたくさんの場面で返報性の法則が見られ、企業によって利用されることも多いのです。

参考文献

実験心理学-なぜ心理学者はの心がわかるのか? 齊藤 勇 ナツメ社 2012年10月

仕事に役立つ返報性の法則

返報性の法則を仕事で役立てるには、以下のような方法が考えられます。

  • 頼まれた仕事に対して「どうしたら上司は喜ぶだろう」と考えて相手の期待を超える価値を提供する。
  • 「ありがとう」「この会社に入れてよかった」など言葉のプレゼントをする。
  • 「どうしたらこの人は喜んでくれるのだろう」と考えて受け答えする。
  • 贈り物をする。

ただし、「私はこんなに相手のために尽くしているのだから、返してくれて当然だ」という思いで行動していると、相手にその気持ちが伝わり不和が起こってしまいます。逆効果になってしまっては元も子もないため、相手に見返りを求めずに「自分ができることをやる。そうすればいつかいいことが起こる」といった軽い気持ちで行いましょう。

今日から仕事に心理学テクニックを活かそう

人差し指を立てるビジネスウーマン
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年収が高い人には読書家が多いとよく言われます。知識量が増えれば、自分の生活に活かすことができるため、仕事に役立つ心理学テクニックをお伝えしました。この知識をぜひ仕事で応用してよりよい状況を手に入れてくださいね。

今回お伝えしたテクニックは、社会心理学という分野で研究された内容をもとにしています。興味があれば社会心理学の研究内容や関連する仕事などの記事もご覧ください。

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この記事を書いた人
関目グミ

「学ぶこと」が大好きなフリーライター。「悩みを抱えている子どもを支えたい」との思いから心理学を勉強し、公立中学校の教師として勤めた過去を持つ。大学では哲学を専攻し、卒業論文で学部内最優秀賞を受賞した。

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