独学で取得できる心理学の資格5種類を紹介!あなたに合った学びの方法はどれ?

「心理学に興味があり、学んでみたい。でも知識を得るだけでは物足りない。何か目標がほしい」そんな人には資格の取得がおすすめです。しかし心理学の資格はスクーリングが必須のものが多く、仕事や介護、子育てなどの事情で家を空けることができない人には難しい場合があります。そこで本記事では、独学で取れる心理学関連の資格を集め、それぞれの特徴を紹介します。キャリアアップや学びを深める際の参考にしてください。

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なぜ心理系の資格には独学で取れるものと取れないものがあるのか

心理学関連の資格は、独学で取りやすいものと難しいものがあります。それぞれどのような特徴があるのでしょうか。まずは大まかな違いを説明します。

臨床心理士、公認心理師、産業カウンセラーなどが独学では取れない理由

臨床心理士や公認心理師、産業カウンセラーは求人条件にもよく掲載されている権威性のある資格です。

この3つは、独学では取得できません。受験資格を得る過程で、直接指導を受けながら学ぶ必要があるからです。具体的には医療機関や福祉事業所などにおける実習や、カウンセリングのスキルを身につけるための実践形式の練習などが挙げられます。

臨床心理士の受験資格を得るためには、資格委員会が指定した大学院を修了しなければなりません。国家資格である公認心理師は、大学および大学院で一定のカリキュラムを履修する必要があります。これらの履修科目には、実習が含まれています。産業カウンセラーも、約100時間のロールプレイによってカウンセリングの基礎を学びます。

それぞれ実務経験や学歴などによる例外はあるものの、原則としてスクーリングが必要です。このように独学できない資格は、取得への道のりが長く費用も高くなりがちです。スケジュールも拘束されやすいので取得の難易度は高いと言っていいでしょう。その分、取ると就職活動で有利になります。    

独学で資格を取る場合のメリットとデメリット

では次に、独学の有利な点と不利な点を見てみましょう。独学のメリットは以下です。

独学で資格を取得するメリット

  • 自分の時間を確保できる
  • 費用がおさえられる

では、それぞれ解説します。

時間が調整しやすい

社会人や主婦のかたは、本業や家事をこなしながら勉強しなければなりません。

大学の授業や講座などに通う場合はスケジュールが決まっていますが、独学の場合は学ぶペースや時間帯を自分で調整できます。

時間を調整しながら、本業・家事と勉強を両立をはかれるでしょう。

費用がおさえられる

大学の授業料は4年間で、私立文系だと約372万円、国立だと約215万円かかります(文部科学省『国公私立大学の授業料等の推移』から計算)。他にも入学料や設備費などさまざまな名目で費用がかかります。

それに比べ、独学の場合は、試験受験料+教科書代+過去問題代だけ。後述するように、2万円程度で済みます。

大学に通うことに比べると、資格取得までの費用をはるかに低くおされられます。

独学で資格を取得するデメリット

そして、デメリットをご紹介します。

  • タスク管理が必要
  • 独学では取得できない資格もある

それぞれ解説しますね。

タスク管理が必要

大学などで資格を取得する時、ある程度プログラムが組まれています。

しかし、独学の場合はすべて自分でタスク管理をする必要があるでしょう。

タスク管理とは、「業務の優先順位をつけてスケジュールを守ること」です。

優先順位をつけること自体に時間を取られてしまう場合もあります。

タスク管理が苦手な人は勉強は進まないかもしれません。

独学では取得できない資格もある

前述したとおり、大学や大学院に行かないと取得できない資格があります。

なので、独学で取得できる資格には限りがあります。

独学で取れる心理学の資格と特徴

それでは、5種類の心理学資格の特徴(長所や難易度、取得にかかるコスト、権威性)を伝えます。

  • 心理学検定
  • メンタルヘルス・マネジメント検定
  • こころ検定
  • ケアストレスカウンセラー認定試験
  • 日本メディカル心理セラピー協会の心理カウンセラー資格(メンタル士心理カウンセラー資格認定試験、チャイルド心理カウンセラーなど)

※費用は税込みで記載しています。

名称受験料主催(認定)団体特徴
心理学検定A領域
・一般申し込みの場合 7,700円
・団体割引の場合(10名以上)6,600円

B領域
・一般申し込みの場合 7,700円
・団体割引の場合(10名以上)6,600円

A領域+B領域
・一般申し込みの場合 1万2,100円(税込)
・団体割引の場合(10名以上)9,900円(税込)

一般社団法人日本心理学諸学会連合■心理学の基礎知識が身につけられる

■大学によっては、以下のような取り扱いがある。
・大学院入試の優遇措置
・単位取得制度
・表彰制度
・資格取得を在学中の目標としている
・資格取得に向けた講座を実施している

■以下の学会資格を取得する際に優遇措置がある。
・日本カウンセリング学会
・日本応用心理学会
・日本健康心理学会

出典:https://jupaken.jp/about/merit.html

メンタルヘルス・マネジメント検定 Ⅲ種(セルフケアコース)5,280円大阪商工会議所■組織の従業員が自らメンタルヘルス対策を推進できるようになることを目指す
メンタルヘルス・マネジメント検定 Ⅱ種(ラインケアコース)7,480円大阪商工会議所■上司として部下のメンタルヘルス対策を推進できるようになることを目指す
メンタルヘルス・マネジメント検定 Ⅰ種(マスターコース)1万1,550円大阪商工会議所■人事労務管理スタッフや経営幹部として、社員のメンタルヘルス対策を推進できるようになることを目指す
こころ検定 4級  (基礎心理学)6,000円メンタル学術学会■文部省が後援している

■「自らの心への段階的な関わりを心理学に基づいた体系的な知識・技能として有す」ことを総合目的としている

こころ検定 3級  (基礎心理学)6,000円メンタル学術学会■文部省が後援している

■「自らの心への段階的な関わりを心理学に基づいた体系的な知識・技能として有す」ことを総合目的としている

こころ検定 2級  (応用心理学)7,700円メンタル学術学会■文部省が後援している

■「自らの心への段階的な関わりを心理学に基づいた体系的な知識・技能として有す」ことを総合目的としている

こころ検定 1級  (応用心理学)1次試験料(学科・CBT)8,000円
※1級2次試験料(実技・口述試験、会場)は5,000円
メンタル学術学会■文部省が後援している

■「自らの心への段階的な関わりを心理学に基づいた体系的な知識・技能として有す」ことを総合目的としている

ケアストレスカウンセラー認定試験1万円一般財団法人 職業技能振興会■メンタル疾患への理解を高め、メンタル疾患の疑いのある方への対応や、メンタル疾患予防の啓発など、こころのケアができる人材の育成を目指す
青少年ケアストレスカウンセラー1万2,000円一般財団法人 職業技能振興会■メンタル疾患への理解を高め、メンタル疾患の疑いのある方への対応や、メンタル疾患予防の啓発など、こころのケアができる人材の育成を目指す
高齢者ケアストレスカウンセラー1万2,000円一般財団法人 職業技能振興会■メンタル疾患への理解を高め、メンタル疾患の疑いのある方への対応や、メンタル疾患予防の啓発など、こころのケアができる人材の育成を目指す
企業中間管理職ケアストレスカウンセラー1万2,000円一般財団法人 職業技能振興会■メンタル疾患への理解を高め、メンタル疾患の疑いのある方への対応や、メンタル疾患予防の啓発など、こころのケアができる人材の育成を目指す

心理学検定

費用は各領域7700円、A領域とB領域を同時に申し込むと1万2100円になります。10名以上に適用される団体割引もあります。

この資格を取ることによって、「心理学の専門知識を有することの証明」として認められ、大学院入試に優遇されます。

また、心理学検定を取ることで、所定の単位として認定される大学もあります。

表彰までされる場合もあります。

大学でも資格取得を推奨しており、対策講座が実施されています。

日本カウンセリング学会、日本応用心理学会、日本健康心理学会が、それぞれ運営する資格等の優遇も受けることができます。

一般社団法人日本心理学諸学会連合が認定しています。

メンタルヘルス・マネジメント検定

メンタルヘルス・マネジメント検定は3種類あります。

セルフケアコース(Ⅲ種)、ラインケアコース(Ⅱ種)、マスターコース(Ⅰ種)です。

Ⅰ種に行くにつれて難易度があがります。

セルフケアコースは、メンタル不調の自分自身での早期発見や、それに対するセルフケアを学びます。また、メンタル不調の予防も勉強できます。

メンタル面での知識を学べるとともに、会社で働く従業員(新入社員~中堅社員)の権利も学べます。

ラインケアコースでは、自分自身がマネジメントも必要になってくる管理職となった時の、部下に対するメンタルケアを学びます。

復職支援や、障がい者雇用などの項目も入っています。

法律や、メンタルケアについての内容など、Ⅲ種と重複する部分もあります。

なので、Ⅲ種、Ⅱ種と同時に勉強するのも良いでしょう。

マスターコースは、人事労務管理スタッフ、経営幹部となるひとが行う仕組みづくりについて学びます。

メンタルケアに関する方針と計画づくり、産業保健スタッフとの連携、教育研修についても含まれています。

費用は、Ⅲ種だと受験料5280円+教科書・過去問代、Ⅱ種で受験料7480円+教科書・過去問代、Ⅰ種になると受験料1万1550円+教科書・過去問代がかかります。

メンタルヘルス・マネジメント検定は、企業のセミナー受講でも使われている大阪商工会議所が運営しています。

こころ検定

こころ検定は、4級から1級まであります。

4級と3級は、基礎心理学。2級と1級では、応用心理学を学びます。

こころとは何かを考え、「自らの心への段階的な関わりを心理学に基づいた体系的な知識・技能として有す」ことを到達目標としています。

発達・パーソナリティ・教育・適応・検査をもちいて「こころを成長させる」ことにもつとめます。

費用としては、4級、3級が受験料6000円+教科書・過去問代となります。

2級は受験料7700円+教科書・過去問代です。

1級は2次試験があります。

1次試験(学科・CBT)が8000円で、1級2次試験(実技・口述試験)は5000円です。それに加えて教科書・過去問代がかかります。

メンタル学術学会が監修。

文部科学省が後援しています。

ケアストレスカウンセラー認定試験

ケアストレスカウンセラー認定試験には4つの種類があります。

  1. ケアストレスカウンセラー    
  2. 青少年ケアストレスカウンセラー
  3. 高齢者ケアストレスカウンセラー
  4. 企業中間管理職ケアストレスカウンセラー

難易度は1~4の順に高くなります。

この資格の目的は、こころとは何かを考え、精神的な不調があった時の理解を深めることです。

そして、身近にメンタル疾患の方がいらっしゃった時に、対応・予防・ケアができることを目指します。

「こころを大切にするカウンセラー」になることが到達目標です。

費用は、ケアストレスカウンセラーが受験料1万円+教科書・過去問代です。

青少年ケアストレスカウンセラー、高齢者ケアストレスカウンセラー、企業中間管理職ケアストレスカウンセラーは、受験料1万2000円+教科書・過去問代です。

いずれも認定登録には登録料5000円が必要となります。

公式テキストによると、この試験は、「国の機関も含む専門機関や、著名な医学博士、心理学者、臨床心理士などがつどい、長年の歳月をかけてつくったもの」であり、「資格の誕生に伴って、教材が作成」されたものです。「多くの著名な関係者により加筆訂正」がされています。

資格に合格したあとも定期的に実技研修をしているので、スキルアップにも役立てられます。

日本メディカル心理セラピー協会の心理カウンセラー資格

日本メディカル心理セラピー協会の心理カウンセラー資格は、基本知識が学べるメンタル士心理カウンセラー資格、胎児期から思春期までの子どもの発達を理解するチャイルド心理カウンセラー資格、その他、全部で9種類の資格があります。

費用は一律で受験料1万円+教科書・過去問代です。

日本メディカル心理セラピー協会が運営しています。

自分に合った資格の探し方

ここに挙げた他にも、心理学系の資格はたくさんあります。

その中で、自分に合った資格を見つけるにはどうすればいいでしょうか?

まず大切なのは、「勉強する内容に興味・関心があるか?」ということです。 若いうちから関心のある資格をいくつか取っておくことをおすすめします。学生や20代の頃から資格を取っておくと、履歴書をみた時に、きちんと勉強してきた人だと評価されるからです。          

筆者も学生時代や、大学を卒業したばかりの頃、資格取得のために勉強しました。

当時は興味のおもむくままに、英検、数検、ニュース検定、図書館司書資格、メンタルヘルス・マネジメント検定など数々の資格を取っていました。

入社した会社に勤務している時、採用していただいたその当時の面接官や、それを聞いた上司から「井上さん、資格たくさん持っているよね。どのようにして勉強したの?」と話の種にしていただきました。

勉強してきたという信頼性があると、思わぬところで面接官や上司に評価されます。

独学で取得する資格は楽しく学べそうなものを選ぼう

ここまで、心理学検定やメンタルヘルス・マネジメント検定などの資格を紹介してきました。費用は約1万5000円~2万円です。

共通していえる特徴は、「こころ」について考え、学びを深めていくことを目的としているところです。

自分に合った資格を取るためには、自分自身が関心を持ち、楽しく学べそうなものを選ぶといいでしょう。

参考文献

【公式】心理学検定
サクッとわかる!メンタルヘルス・マネジメント検定II種・III種テキスト&問題集』内藤友子(著)、ナツメ社
こころ検定3級公式テキスト』日本学術会議協力学術研究団体メンタルケア学術学会(監修)、教育ナビゲーション
ケアストレスカウンセラー公式テキスト』職業技能振興会ほか(監修),日本能率協会マネジメントセンター
ケアストレスカウンセラー│一般財団法人職業技能振興会

この記事を書いた人
井上 あやめ

女子校育ちのお嬢様ライター。大学で心理学を学ぶ。メンタルヘルス・マネジメント検定、図書館司書などの資格を持っている。趣味は読書。座右の銘は「天使は無責任」。

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