整骨院運営から兼業カウンセラーにキャリアチェンジ!「心のレジリエンスを育てる専門家」宮﨑真実さんインタビュー

「カウンセラーの数だけキャリアはある」と言われるほど、カウンセラーの在り方は多様です。一人一人のキャリアを知ることで、ロールモデルの発見に繋がるはず。今回ご紹介するのは、兼業カウンセラーとして活動する宮﨑真実(まあこ)さんです。宮﨑さんは柔道整復師の資格と経験を持ちながら31歳で心理学を学び始めました。現在は事務系の仕事をしながら、並行してカウンセラーとして開業しています。そんな宮﨑さんに、キャリアを歩むきっかけやカウンセリングにかける思い、ダブルワークと家庭との両立のコツなどを伺いました。

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宮﨑真実さん
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人と関わるのはしんどい。だからこそ楽になる方法を伝えたい

──カウンセラーとして、どのような活動をされていますか。

「心のレジリエンスを育てる専門家」としてカウンセリングを行っています。活動は基本的に水曜日、オンラインによるセッションが中心です。

また、「まあこ」名義で、人との関わり方や自分軸の作り方などについて発信しています。媒体はX(旧Twitter)やnote、インターネットラジオのstand.fmなどのSNSです。

──働き方などについては後ほど詳しく伺います。どのような人を活動の対象としていますか?

クライアントに多いのは、自分に自信を持てない人や、不安感や緊張感が強くて他者と関わることに苦手意識がある人です。SNSにおける発信も同様の人に向けて行っています。

──なぜ、そのような人に向けて活動しているのでしょうか。

私自身が強い劣等感を持ち、人前で話すことが苦手だったからです。いつも相手の顔色をうかがって、周りの声に振り回されていました。他者と関わることがしんどくて、気疲れすることが多かったんです。それでもやっぱり人と関わっていきたい。そんな私に大きな気づきを与えてくれたのが心理学です。だから同じように悩んでいる人に、少しでも楽になる方法や考え方を伝えたいと思いました。

店舗運営のヒントを探して心理学と出会う

──どのような心理学を勉強されてきましたか?

アドラー心理学や発達心理学、森田療法、フランクル心理学、ユング心理学、二者心理学などです。コーチングの資格も保有しています。これらはすべて社会人になってから学びました。

──以前はどのようなお仕事をされていたのでしょうか?

柔道整復師として施術や店舗運営を行っていました。看護師だった母の影響で、医療系の仕事をしたいという思いがあったんです。

転機となったのは、整骨院のマネージャーとして複数の店舗を統括し、スタッフとの関わりが増えたことです。円滑に業務を運営するためのヒントになればと、自己啓発書を中心にたくさんの書籍を読むようになりました。その中にアドラー心理学を扱った世界的なベストセラー『嫌われる勇気』がありました。

あるとき、たまたま地元の愛媛県でアドラー心理学の講座が開かれることを知って参加しました。それが自分の中でピンときて、とても楽しかったんです。心理学講師の資格を取るために東京まで行ったこともありました。

──心理学を学ぶことで、宮﨑さん自身にどのような変化がありましたか?

講座を受けるうちに自分への理解が進んでいきました。そのおかげで感情に振り回されることが少なくなり、なりたい自分像が明確になった感覚があります。その後も学び続け、カウンセリングのスキルを身につけていきました。

心を育てるために大切なのは「強さ」よりも「しなやかさ」であることに気づく

──カウンセラーとして最初の依頼を受けた経緯を教えてください。

いくつかのカウンセリング資格を取得した後に、本格的にカウンセラーとして活動することを考えました。その時はすでにSNSのアカウントが育っていたので、無料のオリエンテーションを開いたんです。すると、ありがたいことに何名かの方がクライアントとして応募してくださいました。

それ以前には講師として、何度か職場でセミナーやワークショップを開いたこともあります。楽しそうに受講する参加者の様子を見て、手応えを感じていました。

──以前は「勇気の心理学講師」として活動されていたと伺っています。現在の「心のレジリエンスを育てる専門家」になるまでに、どのような変化があったのですか?

学びを深めていくうちに、あることに気づきました。劣等感や人間関係の悩みを乗り越えるために大切なのは、強さよりも〝しなやかさ〟だということです。レジリエンスは心理学において「心の弾力性」「困難をしなやかに乗り越え回復する力(精神的回復力)」とも言い換えられます。

以前の私は、弱い自分を変えるために必要なのは、心を強くするためのスキルを身につけていくことだと思っていました。ネガティブな部分をポジティブに変える足し算の発想です。これを「勇気」という言葉で表現していました。

でも心理学を勉強していくうちに、もっと大切なことを知りました。それは自分の「弱さ」を受け入れることです。弱い自分も自分の一部だと認めることで、心の土台ができ、安定していきます。それこそが本当の心の強さなのだと思うようになりました。

悩むことは悪いことではありません。つらいことや悲しいことと向き合っていくことで、少しづつ自分の中にある「こだわり」や「傷つき」に気づいていきます。そして自分の弱さを見つめ「これも自分なんだな」と受け入れることができると「だいじょうぶ感覚」と言うべき心の根っこが育っていきます。これは「私は私でいいんだ」「どんな私でも私はだいじょうぶだ」と思える感覚のことで、自己信頼感や自己肯定感の元になる感覚のこと。クライアントのしなやかな心の成長をお手伝いしていきたいという思いを込めて、「心のレジリエンスを育てる専門家」として活動しています。

人間は本来「成長したい」という気持ちを持っているもの。でも、自分に可能性を感じることができないと何かに挑戦したいと思えません。「だいじょうぶ感覚」はこれから伸びていく木の幹を支える大切な根っこです。心の根っこがしっかりしてくれば、そこから大きく幹を伸ばし花を咲かすことができます。「やってみよう」という勇気に繋がっていくのです。

ダブルワークと家庭の両立をカウンセリングへのモチベーションが支える

──あらためて、現在の活動について伺います。カウンセリングは基本的に週1日とのことでしたが、どのような働き方をされているのでしょうか。

水曜日はカウンセラーとしての活動に充て、他の平日は整骨院で事務担当者として勤務しています。整骨院は書類作成から経理、採用に至るまで、施術以外のことをすべて引き受けている感じです。水曜日以外にもセッションがある日にはカウンセリングの後に整骨院の業務に戻ったりと、柔軟に対応させてもらっています。

──理解のある職場ですね。

カウンセラーとしての活動を始めてから一度転職しているのですが、現在の職場と契約する際にカウンセリングと並行して働きたいと伝え、了承してもらいました。ちなみにパートタイムです。

──ダブルワークに加えて、シングルマザーとして子育てもされています。両立するために意識していることはありますか?

整骨院での勤務は働く時間が決まっていますが、問題はそれ以外の時間です。私、家事が苦手なんです(笑)。だからといってダラダラやっていると、カウンセラーとして活動する時間が減ってしまいます。だから早く片付けるために、家事をルーティン・ワークとしてパターン化するよう工夫しています。

好きなカウンセリングの時間を捻出することが、家事を早く終わらせるモチベーションになっています。

カウンセラーへの第一歩は自分を知ること

──ルーティンといえば、カウンセリング・セッションの前に必ず行うことはありますか?

目を閉じて「心眼力」と心の中で唱えるようにしています。私のカウンセリングの先生である野口嘉則さんの言葉で、著書のタイトルにもなった言葉です。「クライアントの心の奥を見るつもりで信じる」という意味であると、私は理解しています。

クライアントの愚痴や悩みなどの表面的な言葉に囚われると、カウンセラーの「だいじょうぶ感覚」が揺らいでしまうことがあります。「クライアントを変えてあげなければ」「もっと前向きな考えにしてあげなければ」と思うと、不思議なことにその動揺はクライアントに伝わり、かえってクライアントの状態が不安定になってしまうのです。

クライアントは悩みを通して自分と向き合い、成長している。それを信じること。私がカウンセリング活動で何より大切にしたいことです。

──最後に、これからカウンセラーへの道を歩みたい人に向けて、アドバイスがあったらお願いします。

アドバイスというより提案になるかもしれませんが……まずは、ご自分でカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。

あなたが抱えている悩みを聞いてくれそうなカウンセラーを探して相談してみるのです。そうすることでクライアントの気持ちもわかりますし、カウンセリングの価値をより実感できます。どのようなカウンセラーになりたいかが固まっていない人は、明確化するためにもよいでしょう。カウンセリングにおける気づきは、SNSでの発信にも繋がります。

私も資格を取得する前に80時間以上のセッションをすすめられました。まずはカウンセリングを受けて自分への理解を深めることが、カウンセラーとしての第一歩になるのではないでしょうか。

宮﨑真実さんプロフィール

【名前】

宮﨑真実(ニックネーム:まあこ)

【資格】

・日本メンタルファウンデーション・コーチ協会  認定プロフェッショナルコーチ

・アドラー心理学ELM勇気づけ講師

・全米NLPプラクティショナー

・LABプロファイルプラクティショナー

・柔道整復師

【SNS】

・note ~LIFETIME こころのあり方~:https://note.com/maako2019

・X(旧Twitter):https://twitter.com/monchan5251

・Instagram:https://www.instagram.com/maako.2019/

・stand.fm:https://stand.fm/channels/618607df3db982af528539e7

・Youtube ~チャンネルまあこ~:https://www.youtube.com/channel/UChZJo92nBoCEqELKXiVRHJA

・LINE公式アカウント:https://lin.ee/LmAmMbp

この記事を書いた人
山田悠記

ライター。カウンセラーや心理職、メンタルヘルス関連などの取材をしています。心理学科卒。産業カウンセラー、2級FP技能士・AFP。好きなものは詩歌と散歩。

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